固定給の弊害

この記事を読むのに必要な時間は約: 4 分

固定給は正しいのか、について論じてみたいと思います。

会社組織において、雇用側は必ず被雇用側と対立する。雇用側は被雇用側にたくさん仕事をしてもらい、かつより少ない報酬を支払うことが潜在的に動機付けられ、被雇用側はなるべく楽をして、より少ない労働でたくさんの報酬を得るよう潜在的に動機付けられているからです。

つまり短期的にも、雇用側と被雇用側両方とも利益を最大化したいのです。

景気が良く、たくさん稼いでいるとき、つまり会社の収益が多いとき、社員やパートに支払う報酬が固定であれば、会社側は、被雇用側を必然的に搾取していることになる。

これが、世間一般に言われているブラック企業、長時間労働、ワンオペ(一人ですべての業務をこなす)、過労死が連想されるが、意外と知られていないのが、もし、会社側の収益が悪いとき、経営者やオーナーは社員やパートに逆に搾取されている状態になってしまうのである。被雇用側は暇慣れし、企業にしがみつたり、ぶら下がったりするのです。例えば、厳しく労働監視をしていない場合、接客態度が悪かったり、早めに帰れるように全体のオペレーションを操作したり、場合によっては見えないところで仕事の依頼を断ったりする例も多々ある。なぜなら、そうしても給料は同じだからです。そして、世間では過労死する社員が取り上げられていることが多いいが、うつ状態になった経営者はなかなか取りざたされないのである。

このような状態は経営学、とりわけ組織論の問題で、モチベーション維持や理念、コミュニケーション不足だと思われがちだが、私は、根本的に、固定給は一つの弊害であると言う見方をする。

報酬を固定にすること、それは被雇用側に安心して働いてもらうという大義名分があるが、会社組織は結構市場の荒波に出くわしてしまい、現金の収入がいつしか給与の支払いに追いつけない時期がくることは多々あるのです。そして、倒産を免れるため、リストラやらを強行してしまうことも多いが、それがまた費用が掛かってしまうのです。最悪の場合、余剰人員に居座られてしまいかねないのです。

よって、会社とその働き手としての社員たちに運命共同体となるようストックオプションという、社員に会社の株を割り当てる制度もあるが、経営は色んな組織形態があるので、すべてがそのようにできるとは限らない、中小企業や小店舗などは株の流通がなく、発行しても市場に価値が出てこないので、難しいのです。

ということで、論理的に考えると、固定給プラス変動給が妥協案ではないのかと思ってしまう。

衣食住最低限やっていけるための固定給、そして収益に比例しての歩合給です。もし、会社にただ出勤して、何も生産性がなかった場合最低限の固定給を保証し、会社の収益増で変動給を足していくような仕組み。ここでの変動給は会社の収益に比例した平均的変動給で、個人個人の努力としての収益に対する影響はとりあえず無視。

これは国家全体で見れば、もうお分かりいただけたと思いますが、ベイシックインカムに似ています。国家は徴税権があり、国民に最低保証をするが、よりゆとりをもって人生を楽しみたい人達には積極的に稼いでもらい、ただ食べていけて、自分の殻にこもりたい人々には最低限の生活保障を与える。

これは一種の共産主義に資本主義を接ぎ木したハイブリッドシステム、いつかは試されるべき時代が来ると思う。すべての人が勤労ではなく、またすべての人が怠惰ではないからです。

固定給プラス変動給、これは労働における一つの哲学で、もちろん必ずしも完全正解とは限らない。例えば言い換えをして、固定給プラスボーナスで、ボーナスで調整すればいいのではないかと反論をうけそうだが、それはその通りとしか言い返せない。だが、問題は、概念の定義や違いとその概念が実践面で発揮する力に違いがあるとしか弁明できない。

いままでの固定給、ボーナス制度でなぜやっていけないのか。なぜ相互搾取を回避できないのかを問われるべきでしょう。いかにして雇用側も被雇用側もWIN-WINになれるのかが問題であるとしたら、いかにして企業側が収益減からくる人件費負担による倒産をよりいい方法で免れるべき問題が一つ。またいかにして収益増からくる変動給の割合を計算するノウハウの問題が一つ、それぞれ問われるべきである。

経営的に、価格調整、特に賃金においては経済学では下方硬直性ていう用語がある。つまり、一旦上げたものは下げるのが難しいのです。ですから、企業側はそれを知っていて、なかなか労働市場の最低賃金が上がらなく、場合によって政府が経済界に賃上げを要求するような、変わった現象が出てくるのだと思う。

政治,経済の関連記事
  • お勧めのネット証券とその比較
  • 金融ブラックでも健全にお金を手に入れることができるサービス
  • 固定給の弊害

この記事が気に入ったら
フォローしよう

最新情報をお届けします

おすすめの記事
意外と便利な画像ソフトー花子
IT
最近の記事作成に、画像を使用する頻度がやたらと増えた。まずアイキャッチ画像である。 正直イラレは難しい。あんまりうまくないことと、なにしろ時...