量子力学の矛盾を表す思考実験、シュレーディンガーの猫

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オーストリアの物理化学者であるエルヴィン・シュレーディンガーが提唱した思考実験、「シュレーディンガーの猫」。

世界的に有名な思考実験であり、一度は名前を耳にしたことがある方も多いと思います。

が、実際にその内容がどのようなものなのか、ご存知の方は意外と少ないのではないのでしょうか。

今回は量子力学の矛盾を表す思考実験であるシュレーディンガーの猫を紹介します。

量子力学で起こる不思議な現象

まずシュレーディンガーの猫を解説する前に、量子力学で起こる不思議な現象を説明いたします。これは「二重スリット実験」という実験によって観測されます。
この実験の大まかな条件は以下のようなものです。

1.横並びに二つのスリットを置く

2.電子を二つのスリットに通過させる

3.通過先にスクリーンを置き、電子は最終的にそこにぶつかる

4.スクリーンは電子が集まった場所を観測できる

最終的に二つのスリットを通り抜けた電子が、どのような動きをしたかを観測するのが目的です。電子は微小な粒子、つまり粒であるため、スクリーンにはスリット状の2つの縦縞模様が観測されることが予想されますね。
しかし、実際にはスクリーンに複数の縦縞模様が観測されたのです。
これは二つの波がお互いを干渉し合った結果にできる模様と一致していました。
そこで、スリットを通ってスクリーンに到着するまでの電子の動きを観測するようにしました。
すると2つの縦縞模様が観測され、電子は粒子の動きを見せたのです。

この不思議な現象に対して物理学者たちは「量子の世界において、その状態は観測されることによって変化する」と結論づけました。
つまり、「観測されるまでは、量子は粒子でもあり波でもある」としたのです。

シュレーディンガーの猫とは

さて、それではシュレーディンガーの猫に関して説明いたしましょう。
シュレーディンガーの猫ではまず以下のような条件を設定します。

1.外から中を確認できない箱の中に猫を1時間入れる

2.箱の中には放射性物質の原子と青酸ガスが発生する装置が入っている

3.この装置は放射性物質の原子の崩壊を検出するとガスを発生させる

4.青酸ガスが発生すると箱の中に入った猫は死ぬ

5.青酸ガスが発生するかどうかは1時間後に箱を開けるまで分からない

1時間後まで箱の中の状況を確認できないというのがポイントです。
これはつまり箱の中に入った猫の生死は、実験開始から1時間後に箱を開けるまで分からないということを指します。
量子力学の定義に倣えば「観測されるまで、箱の中に入った猫は生きてもいるし死んでもいる」となりますね。
が、実際はそんなはずありません。

1時間後に観測を行うか否かに関わらず、猫の生死は決定しているはずです。

いかに複雑な量子の世界においても、実際に現実に起こっている現象なのであるから観測によって結果が変わるのという結論はおかしい。

シュレーディンガーの猫は、この量子力学の矛盾を説明するために作られた思考実験なのです。

まとめ謎が多い量子の世界。
そこで観測された不思議な現象に関する結論を批判するために、シュレーディンガーの猫は作られました。
シュレーディンガーの猫によってこの現象に関する研究は更なる発展を遂げましたが、未だ明確な理由は明らかになっていません。
中には「量子力学が波や粒子の動きをするのはパラレルワールドが存在するから」という突拍子もない解釈も存在するようです。
いつか私たちがあっと驚くような結論が導き出されると良いですね。

シュレーディンガーの猫の 動画 まとめ

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